医療脱毛のクリニックを調べていると、「ダイオードレーザー」という名前をよく目にするのではないでしょうか。ダイオードレーザーはアレキサンドライトレーザーやヤグレーザーと並ぶ主要な脱毛レーザーのひとつです。
「バランスが良い」「痛みが少ない」と評されることが多いダイオードレーザーですが、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。この記事では、ダイオードレーザーの仕組みや効果、メリット・デメリット、他のレーザーとの違いを詳しく解説します。

ダイオードレーザーの基本情報
波長と仕組み
ダイオードレーザーの波長は800〜940nmで、一般的には810nmとされています。この波長はアレキサンドライトレーザー(755nm)とヤグレーザー(1064nm)の中間に位置しており、両者の良いところを併せ持つのが特徴です。
半導体(ダイオード)を媒質としてレーザーを発生させることが名前の由来です。効率よくレーザーを照射でき、安定した出力を維持しやすいという技術的なメリットがあります。
熱破壊式と蓄熱式の両方に対応
ダイオードレーザーの大きな特徴のひとつが、熱破壊式と蓄熱式の両方の脱毛方式に採用されているという点です。
- 熱破壊式:高出力のレーザーを短時間で照射し、毛根を直接破壊する方式。太い毛に効果的
- 蓄熱式:低出力のレーザーを連続照射し、毛の発育を司る「バルジ領域」にじわじわとダメージを与える方式。痛みが少ない
ダイオードレーザーは熱破壊式・蓄熱式の両方で使われています。同じ「ダイオードレーザー」でも、方式によって効果や痛みが異なるため、どちらの方式を採用しているか確認することが大切です。
代表的な脱毛機
- ライトシェアデュエット(熱破壊式):吸引システムで皮膚を引っ張りながら照射。痛みが軽減される
- メディオスターNeXT PRO(蓄熱式):蓄熱式ダイオードレーザーの代表格。痛みの少なさで人気
- ソプラノアイスプラチナム(蓄熱式):3波長(アレキ+ダイオード+ヤグ)を同時照射できる
- ベクタス(熱破壊式):大口径の照射ヘッドにより、広い面積を素早く照射可能
ダイオードレーザーのメリット
1. 幅広い毛質に対応できる
ダイオードレーザーはメラニン色素への反応度がアレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの中間にあるため、太い毛にも産毛にもバランスよく対応できます。
日本皮膚科学会の情報によると、ダイオードレーザーは効果と安全性のバランスに優れたレーザーとして広く使用されています。
2. 痛みが比較的少ない
特に蓄熱式のダイオードレーザーは、低出力の連続照射で徐々に温度を上げていくため、痛みが少ないのが大きなメリットです。「温かいマッサージを受けているような感覚」と表現されることもあります。
3. 施術時間が短い
照射面積が広い脱毛機が多く、全身脱毛でもスピーディーに施術が完了します。ソプラノアイスプラチナムのような滑らせて照射するタイプは、特に施術時間が短い傾向があります。
4. 色黒肌や日焼け肌にも比較的対応しやすい
アレキサンドライトレーザーに比べてメラニンへの反応が穏やかなため、やや色黒の肌にも照射できることがあります。ただし、極端な日焼けや色黒肌には対応できない場合もあるため、医師の判断が必要です。

ダイオードレーザーのデメリット
1. 太い毛への即効性はアレキサンドライトに劣ることがある
蓄熱式のダイオードレーザーの場合、毛根を直接破壊する熱破壊式に比べて、施術直後に毛がポロポロ抜ける「ポップアップ現象」が起きにくいことがあります。効果は同程度でも、体感としては効果を感じにくいと感じる方もいます。
2. 蓄熱式と熱破壊式で効果に差がある
同じダイオードレーザーでも、蓄熱式と熱破壊式では脱毛のアプローチが異なります。太い毛をしっかり脱毛したいなら熱破壊式、痛みを最優先で避けたいなら蓄熱式と、目的に応じて選ぶ必要があります。
3. 美肌効果はアレキサンドライトレーザーに劣る
アレキサンドライトレーザーはシミ治療にも使われるため、脱毛と同時に色素沈着の改善が期待できます。ダイオードレーザーにはこの美肌効果はあまり期待できません。
蓄熱式のダイオードレーザーは「効果がない」と言われることがありますが、これは即効性が感じにくいだけで、回数を重ねれば十分な脱毛効果が得られます。焦らずに通い続けることが大切です。
他のレーザーとの詳細比較
ダイオードレーザー vs アレキサンドライトレーザー
アレキサンドライトレーザーは太い毛への即効性が高く、美肌効果もあります。一方で産毛には弱く、色黒肌には使用できないことがあります。ダイオードレーザーは万能型で、産毛にもある程度対応でき、痛みも少なめです。
ダイオードレーザー vs ヤグレーザー
ヤグレーザーは波長が長く、毛根の深い位置までエネルギーが届くため、男性のヒゲや根深い毛に効果的です。ただし、痛みは3種類のレーザーの中で最も強いとされています。ダイオードレーザーは痛みの面でより有利です。
3種類のレーザーを使い分けるのがベスト
厚生労働省でも医療機器の適正使用が推奨されていますが、理想的にはクリニックが複数の脱毛機を保有し、部位や毛質に応じて使い分けることです。最近は複数の脱毛機を導入しているクリニックも増えています。

ダイオードレーザーが向いている人
- 痛みをできるだけ避けたい方(蓄熱式がおすすめ)
- 太い毛も産毛もバランスよく脱毛したい方
- 初めての医療脱毛で不安がある方
- やや色黒肌の方
- 施術時間を短くしたい方
ダイオードレーザーが向いていない人
- 太い毛の即効性を重視する方(アレキサンドライトレーザーのほうが効果を実感しやすい)
- 脱毛と同時に美肌効果を期待したい方(アレキサンドライトレーザーが適している)
- 男性のヒゲなど根深い毛の脱毛がメインの方(ヤグレーザーが効果的)
施術の流れと注意点
施術前の準備
施術前日までに照射部位の毛を電気シェーバーで剃っておきます。カミソリは肌を傷つけるリスクがあるため避けましょう。毛抜きでの処理は毛根ごと抜いてしまい、レーザーが反応しなくなるため絶対にNGです。
施術中の注意
蓄熱式の場合はジェルを塗った上からヘッドを滑らせて照射します。熱破壊式の場合は1ショットずつ照射していく方式が一般的です。施術中に痛みが強い場合は遠慮なくスタッフに伝えましょう。出力の調整が可能です。
施術後のケア
施術後は肌が軽い炎症状態になることがあります。国民生活センターでも美容医療後のケアに関する情報が提供されています。保湿と日焼け止めを徹底し、当日は激しい運動や飲酒、熱い湯船への入浴は避けてください。
よくある質問
蓄熱式のダイオードレーザーは本当に効果が期待できますか?
はい、効果はあります。熱破壊式のように施術後すぐに毛が抜ける感覚は薄いですが、2〜3週間後に自然と毛が抜け落ちます。3回目あたりから減毛を実感する方が多いです。
ダイオードレーザーとIPL(光脱毛)の違いは何ですか?
ダイオードレーザーは単一波長の医療レーザーであり、IPL(光脱毛)は複数の波長を含む光を照射する方式です。ダイオードレーザーのほうが出力が高く、1回あたりの効果も高い傾向があります。IPLはサロン脱毛で主に使用されています。
ダイオードレーザーは何回で効果を実感できますか?
部位や毛質にもよりますが、3回目あたりから毛の再生が減ってくるのを実感する方が多いです。おおよそ6〜8回程度である程度の脱毛効果が得られます。
ダイオードレーザーでヒゲ脱毛はできますか?
可能ですが、ヒゲは根が深いため、波長の長いヤグレーザーと比較すると効果がマイルドになることがあります。熱破壊式のダイオードレーザーなら比較的効果的ですが、ヒゲ脱毛にはヤグレーザーとの併用が理想的です。
蓄熱式と熱破壊式、どちらを選ぶべき?
ダイオードレーザーには蓄熱式と熱破壊式の2つのタイプがあり、それぞれ特性が異なります。自分に合ったタイプを選ぶためのガイドラインを示します。
蓄熱式を選ぶべき人
- 痛みに弱い方:蓄熱式はじんわり温める方式で、痛みが格段に少ない
- 産毛が気になる方:バルジ領域にアプローチするため、産毛への効果が期待できる
- 日焼け肌の方:低出力の連続照射のため、メラニンに過剰反応しにくい
- 子供の脱毛:肌への負担が少ないため、子供の施術にも適している
熱破壊式を選ぶべき人
- 太い毛を効率的に脱毛したい方:毛根を直接破壊するため、即効性が高い
- ワキやVIOなど太い毛の部位がメイン:メラニンへの反応を活かして効果的に脱毛
- 施術直後の「抜け感」を重視する方:ポップアップ現象で毛がすぐ抜ける
理想的には、部位ごとに蓄熱式と熱破壊式を使い分けられるクリニックを選ぶのがベストです。太い毛の部位は熱破壊式、産毛や顔には蓄熱式と、適切に使い分けることで効率的な脱毛が可能になります。
ダイオードレーザー搭載の脱毛機を詳しく比較
ライトシェアデュエット
ルミナス社製の熱破壊式ダイオードレーザーです。独自の吸引システムで皮膚を引っ張りながら照射するため、通常の熱破壊式より痛みが軽減されています。「熱破壊式の効果は欲しいけど痛みは抑えたい」という方に最適な脱毛機です。大口径ヘッドで広い範囲を効率的に照射できるのも特徴です。
メディオスターNeXT PRO
アスクレピオン社製の蓄熱式ダイオードレーザーです。蓄熱式脱毛機の中でも最も実績のある機種のひとつで、多くのクリニックで採用されています。2つの波長(808nm+940nm)を同時照射することで、さまざまな毛質に対応します。
ソプラノアイスプラチナム
アルマレーザー社製の蓄熱式脱毛機で、3つの波長(755nm+810nm+1064nm)を同時照射できるのが最大の特徴です。1台でアレキサンドライト・ダイオード・ヤグの3つのレーザーを出力できるため、あらゆる毛質・肌質に対応可能です。ただし、コストが高いため導入しているクリニックは限られます。
ベクタス
サイノシュア社製の熱破壊式ダイオードレーザーです。大口径の照射ヘッド(23mm×38mm)により、背中や脚などの広い部位を素早く照射できます。独自の冷却システムで肌を保護しながら効率的に脱毛します。

ダイオードレーザーで施術を受ける際の具体的な注意事項
施術前
- 施術の2週間前からは毛抜き・ワックスでの処理を避ける
- 前日までに電気シェーバーで照射部位を剃る
- 施術当日は日焼け止めや制汗剤を塗らずにクリニックへ行く
- 体調が悪い場合は無理をせず予約を変更する
施術後
- 施術後は赤み・ほてりが出ることがあるが、通常は1〜2日で治まる
- 当日は入浴を避け、ぬるめのシャワーにとどめる
- 施術後2〜3週間で毛が自然に抜け落ちるため、無理に毛を引き抜かない
- 施術後は肌が敏感になるため、SPF30以上の日焼け止めを必ず塗る
万が一、施術後に強い痛みや水疱が出た場合は、すぐにクリニックに連絡してください。医療脱毛は医師の管理下で行われるため、肌トラブルが起きた際にも迅速な対応を受けられます。

