施術から2週間ほど経って肌を見たとき、一部分だけ毛が残っている。しかもその残り方が、なんだか一列に並んでいるように見える。こうした状態に気づくと、「もしかして照射漏れ?」と不安になるものです。
照射漏れは打ち漏れとも呼ばれ、脱毛の現場で一定の頻度で起こりうるものです。人の手で機械を当てていく以上、完全に防ぎきることは難しく、多くのクリニックが公式に「起こりうるもの」として説明し、対応の窓口を用意しています。つまり照射漏れは泣き寝入りする必要のないトラブルです。
ただし、対応してもらうには期限があります。ここを知らずに時間が経ってしまい、無料で再照射を受けられなくなるケースが実際にあります。この記事では、照射漏れの見分け方、連絡するまでの手順、期限の考え方、そして次回から漏れを減らすためにできることまでを、順を追ってまとめました。
照射漏れ(打ち漏れ)とはどういう状態か
光やレーザーが当たらなかった部分が残る
脱毛の施術は、ハンドピースと呼ばれる照射口を肌に当てながら、少しずつずらして進めていきます。この移動の途中で、わずかに間隔が空いてしまったり、肌との密着が甘くなったりすると、その部分だけ十分な熱が届かないことがあります。結果として、周囲の毛は抜けているのに、そこだけ毛が残る状態になります。
起こりやすいのは体の凹凸がある部分
照射漏れは、平らな面よりも凹凸のある部位で起きやすい傾向があります。具体的には次のような場所です。
- ひざやひじの関節まわり
- くるぶし・足の甲・指
- ワキのくぼみ
- あごの下から首にかけてのライン
- VIOの入り組んだ部分
- 背中と腰の境目、お尻との境界
また、施術中の体勢によって皮膚が伸びたり縮んだりする部位も、ずれが生じやすい場所です。体の境目・部位の切り替わり部分は特に注意が必要と覚えておくとよいでしょう。

剃り残しが原因のこともある
施術前日の自己処理で毛が長く残っていると、その部分は照射を避けられることがあります。長い毛があると熱が毛の表面で反応して、肌の表面をやけどする危険があるためです。この場合は照射漏れではなく、そもそも照射されていない状態です。背中やうなじなど、自分で見えない部位ほど剃り残しは起こりやすいので、事前の準備が大切になります。
照射漏れの見分け方
判断できるのは施術から2〜4週間後
照射を受けた毛は、その場ですぐ抜け落ちるわけではありません。数日から数週間かけて、自然に押し出されるように抜けていきます。そのため、施術直後に毛が残っていても、それだけでは判断できません。
一般的には、施術からおよそ2週間から4週間が経過した時点で、抜けていない部分がはっきり残っているかが判断の目安になります。この時期に肌をよく観察してみてください。
残り方の形に注目する
照射漏れが疑わしいのは、毛の残り方に規則性があるケースです。
縦一列・横一列にまっすぐ毛が残っている、四角い範囲だけがすっぽり残っている、といった不自然な形は照射漏れの可能性があります。逆に、全体にまばらに残っている状態は、毛の生えかわる周期による自然な残り方であることが多いです。
照射口は四角い形をしているものが多いため、当たらなかった範囲も直線的な形として現れやすいという理屈です。全体的にパラパラと残っている場合は、まだ照射のタイミングで表に出ていなかった毛だと考えられます。
写真に残しておく
気づいた時点でスマートフォンのカメラで撮影しておくと、相談のときに状況を伝えやすくなります。明るい場所で、なるべく同じ角度から撮っておくのがコツです。背中など自分で見えない部位は、家族に頼むか、鏡に映して撮影する方法があります。

照射漏れに気づいたときの手順
ステップ1:期限を確認する
まず確認したいのが、再照射の申し出に期限があるかどうかです。多くの医療脱毛クリニックでは、前回の施術から4週間程度を目安に連絡が必要という運用をとっています。日数の数え方や条件はクリニックごとに異なるため、契約時の書類や公式サイトの案内を確認してください。
ここで先延ばしにすると、無料の再照射が受けられなくなる可能性があります。「次の予約のときに言えばいいか」と考えていると、期限を過ぎてしまうことがあるので注意してください。
ステップ2:電話やアプリで連絡する
期限を確認したら、すぐに連絡を入れます。伝えるべき内容は次のとおりです。
- 施術を受けた日
- 気になっている部位(できるだけ具体的に)
- 毛の残り方の様子(一列に残っている、など)
- 気づいた時期
連絡した日付は、その時点で期限内であることの記録になります。メールやアプリのメッセージ機能を使うと履歴が残るため、後から確認しやすいという利点があります。
ステップ3:診察を受ける
医療脱毛の場合、照射漏れかどうかは医師が診察して判断するのが一般的な流れです。診察で照射漏れと判断されれば、その日のうちに、あるいは改めて予約を取って再照射が行われます。追加費用なしで対応しているクリニックが多いのですが、条件は契約内容次第なので事前に確認しておきましょう。
ステップ4:再照射を受ける
再照射は該当部位のみに行われるのが通常です。回数のカウントには含まれないという扱いが一般的ですが、こちらもクリニックによって運用が違います。「今回の再照射は5回のうちの1回に数えられますか」と、その場で確認しておくと安心です。

次回から照射漏れを減らすためにできること
前日の自己処理を丁寧に行う
剃り残しがあると、その部分は照射されません。前日にしっかり処理しておくことが、結果的に照射漏れを防ぐことにつながります。肌へのダメージを抑えたいなら、カミソリよりも電気シェーバーが向いています。顔や産毛にはパナソニックのフェリエ フェイス用 ES-WF41のようなうす刃タイプ、ボディには防水仕様のレディースシェーバーが使いやすいでしょう。
背中やうなじは、自分では見えないうえに手も届きにくく、剃るだけでもひと苦労です。柄の長いボディ用シェーバーや、折りたたみ式の三面鏡があると作業がぐっと楽になります。届かない範囲は無理をせず、施術先で剃毛をお願いできるか確認しておくのが現実的です。
施術中に違和感があれば伝える
施術中、「ここは当たっていないかも」と感じた瞬間があれば、その場で伝えてかまいません。体勢がつらくて力が入ってしまう、同じ姿勢が続いて体が動いてしまうといったことも、遠慮せず伝えたほうがよい情報です。
ほくろやタトゥー部分は照射できない
ほくろ、シミ、タトゥー、傷跡などは、色素に強く反応してやけどのリスクがあるため、シールなどで保護して照射を避けるのが通常の対応です。この部分に毛が残るのは照射漏れではなく、安全上の理由による正常な処置です。範囲がどこまでかは、施術前に確認しておくと誤解が生じません。
日焼けをしていると、出力を下げたり照射自体を見送ったりする判断がされることがあります。この場合も毛が残る原因になります。施術期間中の紫外線対策は、照射漏れを防ぐ意味でも重要です。

サロン脱毛の場合はどうなるか
サロンの光脱毛でも、照射漏れへの対応窓口を設けているところがあります。ただし医療機関ではないため、医師による診察はありません。スタッフが状態を確認して再照射の可否を判断する形になります。
サロンの光脱毛はもともと医療機関の機械より出力が控えめで、1回あたりの変化がゆるやかです。そのため「照射漏れなのか、単にまだ効果が出ていないだけなのか」の見極めが難しい面があります。契約時に、再照射の条件と期限を書面で確認しておくことをおすすめします。

よくある質問
Q. 照射漏れは自分の思い違いということもありますか?
十分にあります。毛は同じタイミングで一斉に生えかわるわけではないため、抜ける時期にもばらつきがあります。まばらに残っている場合はこのケースが多く、次の施術で照射されれば解消していきます。判断に迷うときは、写真を持って相談してみてください。
Q. 期限を過ぎてしまいました。もう対応してもらえませんか?
まずは連絡して事情を伝えてみてください。期限を過ぎると無料での再照射ができないと案内しているクリニックが多いのは事実ですが、対応は個別の判断になります。連絡せずにあきらめてしまうより、状況を説明したほうが道は開けます。
Q. 毎回同じ場所が残ります。どうしたらよいですか?
同じ部位で繰り返し残るのであれば、体の形状や施術時の体勢が関係している可能性があります。「毎回ここが残るので、重点的に照射してほしい」と具体的に伝えておくと、担当者が意識して施術しやすくなります。記録を残して伝えることが、再発を防ぐ実用的な方法になります。
Q. 再照射は痛みが強くなりませんか?
再照射だからといって特別に強い出力を使うわけではありません。痛みの感じ方には個人差があるため、不安があれば施術前に伝えて、出力や冷却の調整を相談してください。麻酔の利用が可能かどうかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。
Q. 照射漏れが多いクリニックは避けたほうがよいですか?
照射漏れの有無だけで良し悪しを判断するのは現実的ではありません。人の手による施術である以上、どこでも起こりうるからです。それよりも、起きたときの対応が明文化されているかを確認するほうが、実務的な判断につながります。契約に関する不安がある場合は、国民生活センターの相談事例が判断の材料になります。
Q. 診察や再照射に交通費や診察料はかかりますか?
交通費は自己負担になるのが通常です。診察料については無料としているクリニックもあれば、別途かかる場合もあります。往復の手間も含めると小さくない負担なので、連絡の段階で費用の有無を確認しておきましょう。
まとめ
照射漏れへの対応で押さえておきたいポイントを整理します。
- 照射漏れは人の手による施術で起こりうるもので、多くのクリニックが対応窓口を用意している
- 判断できるのは施術から2〜4週間後。直後の残り毛では判断できない
- 一列・四角い範囲など、規則的な残り方は照射漏れの可能性がある
- まばらに残るのは毛の生えかわる周期による自然な状態のことが多い
- 再照射の申し出には期限がある。多くは施術から4週間程度が目安
- 気づいたらすぐ写真を撮り、記録の残る方法で連絡する
- 前日の剃り残しをなくすことが、照射漏れを減らす基本の対策
脱毛は複数回通って完成させるものです。1回ごとの仕上がりに不満が残ったときは、その都度伝えていくことが、納得できる結果につながります。医療機関の広告表示や情報の見方については、厚生労働省が公開しているガイドラインも参考になります。遠慮せず、確認すべきことは確認していきましょう。

